ソロぼっち、北斗星に乗った思い出 |
私の実家は函館にあり(飛行機に乗れないのもあって)、帰省の際にも、
そして札幌や牧場見学に行く際もいつもお世話になっていました。
上野駅13番ホームにて出発の時間を待つ北斗星。
ブルートレインの象徴である深い青の車体は、まるで夜の闇の中でたたずむ
貴婦人のように、人々の目を惹きます。
老若男女問わず、10~20人くらいがカメラを向けていました。3月14日にはどのくらいの
人が来るのだろうか…。
私はいつもB個室(ソロ)を取ります。
自分だけのスペースもさることながら、テーブルあり、収納スペースあり、
音楽放送あり、温度調整パネルあり、外部の喧騒からも逃れられ
(ただしロビー室の隣は除く)、いくら布団を乱しても見られることはない
(こんなにきれいに畳まれているのに…申し訳御座いません)と自分だけのパラダイス。
しかも、普通のB寝台と同じ値段というお得設定でした。
寝台として使わないときは、椅子として利用できるのもいい感じ。
個室の入り口。出発後暫くすると車掌さんが巡回するので、カギはそこで受け取ります。
鍵は車両の所属する組織によって違う(らしい)。
JR東日本はカードキー&暗証番号式(カードキーはお持ち帰り可能)で、JR北海道が
鍵式です。鍵の方が「豪華寝台特急」っぽいですね。
B個室には1階席と2階席があるのですが、個人的には仰向けになりながら空を眺められる
2階の方がより好きです。
B寝台は、目的地を同じとした知らない人と語り合える(ことがある)のが魅力のひとつですね。
意気投合した人と一緒に食堂車で食事したり…。
6号車の一部分はロビー室。昔は1両まるまるロビーカーだった時代もありました。
窓が車両一杯に広がっているので、昼は都会→郊外→田んぼ→山→などなど
めまぐるしく変わる景色を眺めるのもよし。しかし夜は酒盛り会場。
ロビー室にはシャワールームもあります。一回320円・完全予約制。車内で予約可能です。
予約してシャワーカードを受け取ります。
ドライヤーと足拭きタオル・タオルが付いています。
しかしシャンプーやリンスはありません。食堂車で買うようです。
一回につき20分使用可能です。
さて、北斗星の目玉の一つといえば、食堂車『グランシャリオ』。
見てくださいこの内装。選ばれし者しか入れないような雰囲気です。
自分の寝台の位置によっては、ロビーカーに行く時に食堂車を横切らなければ
いけないときもあり…その時は気まずくなります。
事前に予約をすると、懐石料理やフランス料理のフルコースなどが味わえるのですが…
前者は一回6,000円、後者にいたっては8,500円という庶民には手の届きそうにない価格。
しかし、庶民にも救いの手が差し伸べられております。
それはコース料理の時間が終わった後の「パブタイム」です。
軽食・スナック・アルコールにソフトドリンク各種取り揃えられています。
パブタイムメニュー。これだけでもゴージャス気分。
北斗星ビーフカレー様。1,230円也。雰囲気と目で味わうものです。
おいしゅうございました。
ちなみに、食堂車では朝食もあります。
下り列車は特に、北海道の雄大な景色を横に…なんて贅沢な気分になります。
洋食と和食があるのですが、洋食は卵料理とパンのほかに、ジュースにコーヒーor紅茶に
プリンにフルーツ&ヨーグルトなんてやたら品目が多かったです。
和食は以前は10食?限定で、御膳のようになっていました。最近は限定ではないらしい。
兄と一緒に北斗星に乗っていたときは、兄は必ず和食の為に開店ダッシュしていたものでした。
食堂車ではお土産も売ってました。車内限定グッズをいつも買おう買おうと思って買い忘れる。
そういえば昔は時間によっては、青函トンネル通過時間と食事の時間が被ることがあったなあ…。
「おもてなし」を追求したクルーズトレインもあこがれますが、小さい頃に味わった
未知の地に向かうというワクワク感、乗客同士の思いがけない交流、
発車の時にずしりとくる衝撃と何故か覚える安心感、そしてなんと言っても
一人旅どんとこい!の懐の広さ。ありがとうブルートレイン。
昨年暮れ、家の大掃除をしていたらこのようなものを発掘しました。
北斗星運行開始当初、初めて一人で函館に来た当時中学生の兄に、
いまは亡き祖母がプレゼントしたキーホルダーだそうです。
シリアル番号も入っていました。エンブレムがまぶしいですね。
■何年か前の3月、函館で降りるときに食堂車にお気に入りのマフラーを忘れる→
停車時間の間に戻って探そうとしたら食堂車のドアが雪で凍っていた上に、
出発ギリギリになったのであきらめたという苦い思い出があります。
後で見つかりましたが…。